ビリー3
ビリーは考えていた。来週はマーキンの誕生日だ。
マーキンは犬が欲しいと言っていた。だがただ犬を出すのは簡単だ。それに犬なんてそこら辺から拾ってこればいいんだ。
しかしビリーは知っていた。マーキンは僕から犬がほしいんだ。魔法使いの僕が出す犬だから欲しいんだ。
ビリーは考えた挙句に、死なない犬をマーキンにプレゼントすることにした。
我ながら良い考えだとビリーは思った。最愛のものが無くなるのはとても辛いことだ。ビリーは昔を思い出した。
ビリーが昔を思い出しているところに、コールマンがやってきた。
『おいビリー。お前のいたずらにはもうウンザリだ。村を出て行ってもらう。これはもう村の会議で決まったことだ。だが村長が一つお前に提案した。今村は干ばつがひどくて作物が育たない。もしお前の魔法で雨を降らせることが出来たら村に残って良いとい言ってたぞ。』
コールマンは自分の言いたいことだけを話去って行った。
ビリーは考えていた。俺はいずれこの村を出ることを決めている。俺の魔法で世界を驚かしてやる!
だがこの前の黄色い鳥の話を思いだした。
そうだ俺は後3回しか魔法が使えない。それならずっとこの村でマーキンといた方が良いんじゃないのか?
ビリーは一晩中考えていた。
………………………
翌日村は大変なことになっていた。これまで来たことがない嵐が村を襲ったのだ。
嵐が去った後は酷いものだった。作物は壊滅的。柵が壊れ家畜が逃げ出していた。
コールマンがビリーを訪ねたのはこの日の午後だった。
……………………………
翌日朝起きた村人は驚いた。昨日まで壊滅的だった村が元通りになっていた。まるで嵐など無かったようだ。にげた家畜は帰ってきていたが傷だらけだった。この傷だけが嵐があった証拠だ。
村人は神様に感謝した。
村人が神様に感謝しているころ、ビリーは一人丘の上でマーキンの誕生日の準備をしていた。
誕生日を翌日に控えビリーはせっせと準備する。
太陽は傾きビリーの顔をオレンジに染めていった…。
つづく
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